頚部痛は、むち打ち損傷後に発生する症状で一番多い症状です。

むち打ち損傷後に救急外来で60%以上の方々が頚部痛を訴え、その後6時間以内に65%、24時間以内に93%、72時間以内に何らかの形で100%出現すると言われており、慢性化したむち打ち損傷患者の97%に頚部痛が存在すると報告されてます。

急性期の頚部痛は主に頚部の靭帯、椎間板、関節包、筋、筋膜などの直接的損傷と軟部支持組織及び頚部周囲筋群の異常緊張により発症すると考えられております。

急性期に生じた椎間関節での滑膜炎の遷延化や滑膜のインピンジメント、頚部神経後枝の刺激症状もしくは前庭機能障害からの前庭頚反射(頭部を地面に対して垂直に静止させる働き)の異常や頚部筋の緊張、線維性筋痛症などが考えられます。