交通事故による頭痛は頚部痛に次いで起き易いムチウチ損傷後の症状で、慢性化した場合の78%に頭痛があると言われてます。

頚椎損傷を頭痛の病的因子とした総称を「頚椎原性頭痛」と言い、機序として以下のものが考えられます。

 

① 後頭部の感覚を支配しているC2の神経根が圧迫や炎症によって刺激される。

② C2神経根への痛みや刺激が後頭蓋窩における三叉神経との吻合を介して三叉神経第Ⅰ枝領域の痛みとして発現する。

③ 三叉神経脊髄路核はC2~C4の髄節まで下りてきて脊髄後角と連続しているため、上位神経根の刺激を三叉神経の領域に感じる事がある。

④ 肩・首・頭部の筋は筋膜や腱膜により連続しているため頚部の筋やスパズムにより頭部の筋も収縮し、後頭神経を絞扼して緊張性の頭痛を発生する。

 

頚椎原性頭痛の多くは、頚部の運動で発生し段々と持続する頭痛が増強し慢性の経過をたどっていきます。

また、過労・睡眠不足・ストレス・憂鬱などの心理的な要因も影響すると言われています。